真鶴日帰りコーライティング作曲キャンプレポート!

2015/09/29 火

コーライティングを体験し音楽制作をレベルアップ

最先端の作曲法「コーライティング」を学ぶ日帰りの作曲キャンプ「CO-WRITING WORKSHOP」が(以下、ワークショップ)2015年9月26日に神奈川県真鶴町にて開催されました。

作曲の日帰りキャンプとはどのようなものか、興味のある方もいらっしゃると思いますが、どのような内容なのかイメージのつかない方も多いのではないでしょうか。ここでは当日の様子をお届けします。

CO-WRITING WORKSHOPとは?

今回のワークショップは、START ME UP AWARDの一環としての取り組みで、オーガナイザーに山口哲一氏、ワークショップコーチに伊藤涼氏をお迎えし開催されております。両氏はクレオフーガでの「コーライティングコンテスト」などでもお馴染みですね。また、運営サポートとして株式会社リットーミュージック及び私達クレオフーガも参加させていただいています。

今回のワークショップでは、コーライティングに必要なコミュニケーションの取り方、ターゲットの設定、リファレンス曲の選択方法を学び、自己紹介からファーストデモ作り、プロ作曲家や関係者を交えた試聴会までを、1日で体験するワークショップです。

会場となる真鶴町地域情報センターにて参加者が集合。はじめにオーガナイザーの山口哲一氏よりご挨拶。本ワークショップ開催の経緯や概要、スケジュールについて説明がありました。

続いて、コーチの伊藤涼氏が講師を務めるコーライティングセミナーがスタート。まずは伊藤氏の自己紹介や経歴のご紹介。そして自身のスウェーデンでのコーライティングとの出会いや、海外のコーライティング作品を日本に持ってきた時の話などがありました。

「これまでの10年間は海外のクリエイターが日本へ入ってくることが多かった、これからの10年間は日本のクリエイターがもっと活躍して海外にも出て行くのではないか」という夢のあるお話が印象的でした。

そしてコーライティングについての解説へと進みます。はじめてコーライティングを経験する方も多いので、コーライティングを行うことのメリットや実際に行う時の注意点についてお話がありました。

それぞれのストロングポイントを活かす

1人で制作する場合は、自宅の心地よい環境でできるかもしれないが、複数人の強みを持ちよって科学反応を起こすことがコーライティングの醍醐味。自分ができないこともチームではできるし、普段自分1人では作らないような作品も生み出すことができる。

また、複数人でコーライティングした場合は作業も分担できるため、多くの作品を生み出していけることもメリット。実際、海外で活躍する作曲家の多くはコーライティングによりたくさんの曲を生み出しているそうです。

チームで喧嘩してケミストリーを起こそう

「日本人は空気を読み過ぎる」傾向があり、皆があまり意見を言わないまま進めるとかなり無難な曲ができあがってしまう。お互い意見をぶつけて、良い意味での喧嘩をしながら取り組んだ方が結果として良い作品が生まれることが多いとのお話がありました。

完全に役割を分けてしまうとケミストリーが生まれにくく、他の人の責任分野にも積極的に意見を出すことがコーライティングにおいては重要だそうです。

今回のワークショップでは、せっかく集まっているので、どんどんコーライティングを体験して感じて欲しい。自分と合わない人がいたらいたで構わないし、性格は合わないけど良い能力を持ってるからまた組みたいな、と思う出会いがあれば良いとのことでした。

そしていよいよチーム分けの発表です!参加者にとっては一番ドキドキしたタイミングかもしれませんね。今回はコーチの伊藤涼氏によりチーム分けをしていただきました。事前に参加者からヒアリングを行い、各参加者のできること(作詞家ばかり偏らないようになど)や男女比などを考慮して決定しております。

お弁当を食べながらチームミーティング

続いて早速チームミーティングに移ります。ここでは、時間的にお昼ということもあり、真鶴の美味しいお弁当を食べながら各チームごとにミーティングを実施。各チーム内で自己紹介をしつつ、楽曲を作る際に参考にするリファレンス曲を決めていきます。

実際にデモを作るためには、チームメンバーの得意ジャンルや強みなどを把握する必要があるので、チームに分かれた後の自己紹介はとても大切な時間です。どのような作品を普段作っているかや、得意なジャンルは何かといったことをお互いに情報交換をしていました。

そして、提案を目指す具体的なアーティストやリファレンス曲を決める段階では、各チームごとにパソコンを取り出したり、スマートフォンなどで音楽を聴きながら話し合いが行われていました。中にはギターや鍵盤などの楽器を取り出して演奏をしながら話し合うチームもありました。

各チームのリーダーがミーティングの結果を発表します。チームとして目指す方向性、リファレンス曲、メンバーの役割分担について順番に発表します。かなり具体的なところまで詰められているチームなどもあり、どのアーティストに提案するのかといったことについて各チームの方向性が出揃います。

それに対して伊藤氏より「方向性が曖昧なのでもっと具体化した方が良い」「本当にリアリティを持って提案を考えるなら、曲の季節なども考慮する必要がある」などのアドバイスがありました。
限られた時間で制作を行うため、最初のミーティングできっちりと決めるのは大事だと参加者も認識をしたのではないでしょうか。

ここからは会場を真鶴町民センターに移動して、各チームごとに個室に入って制作がスタート。各自が持参した音楽機材や楽器などもセッティングして、実際に曲の制作が進められていきます。機材もチームごとに特色があって面白いですね。

制作時間中はコーチの伊藤氏が定期的に各チームを巡回をして参加者からの質問に回答しつつ、制作が進んでいきます。終盤には歌入れをバタバタと行う光景が見られ、発表時間が迫ってくるとどのチームにもかなりの緊張感が漂っていました。

いよいよ最後のイベントとなる各チームによるデモ試聴会が始まります。情報センターに再び全員が集合。最初は初対面でぎこちなかった各チームも、再び集合した際にはどのチームもすっかり打ち解けていたのがとても印象的でした。

また、デモ発表会では著名な音楽プロデューサーの浅田祐介氏、島野聡氏にも駆けつけていただき、大変豪華なアドバイザー陣による試聴会となりました。

発表ではまずチームのリーダーにより「どのアーティストへ提案するイメージで作ったのか」「リファレンス曲を何に設定したのか」を話してもらった上で作品の発表という流れで進みます。楽曲は打ち込みやレコーディングで制作した音源を再生するチームが多かったですが、皆の前で演奏と歌唱をライブ形式で行うチームもあり大変盛り上がりました。

講師陣からの実践的なアドバイス

デモ発表会では、各チーム順番に作品を発表し、それに対してコーチの伊藤氏及びゲスト講師からコメントをいただきます。 以下に講師から寄せられたアドバイスの一部をご紹介します。

  • ファーストデモとしては形になっているが、提案をイメージしたアーティストが本当にこの曲を歌うのかもっと考えて欲しい。
  • 歌唱力を競うものでもないし、恥ずかしがらずに下手でもいいので歌を入れた方が良かった。
  • コーライティングの良さは「主観と客観が入れ替われること」。もっと意見を出し合って曲のバランスや伝えたいことを突き止めることが大事。
  • メロディーが忙し過ぎる。緩急をつけるなど、もっと落ち着かせる部分があると良かった。
  • トラックがかっこいいことももちろん大事だが、コードとメロディーが一番大事なのでもっと丁寧に作って欲しい。
  • 最終的に伝えたいのがメロディーであれば、本当にやらなければいけないことはメロディーがしっかり伝わるデモを作ること。

コーライティングは楽しい

また、各チームごとにコーライティングの感想も聞きましたが、初めてのコーライティングの方が多かったこともあり「機材の準備不足だった」「時間配分が難しかった。時間が足りなくなった」といった感想が多く聞かれました。また、「話し合いながら曲を作るのは新鮮だった」「単純に凄く楽しかった」という意見もあり非常に有意義な機会となったようでした。

最後に質疑応答の時間を経て、全てのスケジュールが終了し解散となりました。解散となった後も、各チームごとに連絡先を交換しあったり、今後完成まで向けてどうするか話をしていたりととても印象的でした。

今後も同様のイベント開催も予定されておりますので、興味を持った方はぜひ次回以降の開催で参加してみてはいかがでしょうか。

 ※ワークショップ参加者の集合写真、セッション/ハッカソン合同の懇親会の模様

「コーライティング」をもっと知りたい方へ

最先端の作曲法 コーライティングの教科書 役割シェア型の曲作りが、化学反応を起こす!

今回のワークショップのオーガナイザーとコーチを務められた山口哲一氏と、伊藤涼氏のお二人が共著で執筆された書籍です。

コーライティングのノウハウや実例を惜しげも無く披露されていますので、コーライティングに興味を持った方、より深く知りたい方は是非お読みください。


本レポートの最後として、実際に参加された方の体験談を掲載いたします。参加者の目線からどのようなイベントだったのか、臨場感のある体験談を是非お読みください。

寄稿:シンガーソングライター 江里口彩子さん

今回のキャンプ、発表されたメンバーは4人。
・渡邊くん
・萩原くん
・多賀さん
・私
実際にチームに分かれたのが11時半頃。
ファーストデモと呼ばれる、簡単な伴奏と歌が入ったデモテープを17時半までに作る、というのが最初から決まっていて、そこに向けて一緒に曲を作っていきます。

まずは「初めまして」。そこから、「普段何をしてるかとか何が得意か、順番に言っていきますか〜」という流れで話を進めていきました。

渡「ピアノやってました。DAWソフトは(音楽制作のソフト)はちょっと触る程度です」
萩「僕もピアノです。あと作詞もやります」
多賀「ピアノしかできません〜」
私「私も作る時はピアノです。歌と作詞もしますが」
皆「うわ〜ピアノめっちゃ被ってる(笑)」
私「じゃあパソコンにピアノ打ち込んで、歌入れてってやりますか〜?」
萩「でもせっかくピアノ弾いて歌も歌うんだったらデモ作るのもったいなくないです?」
私「え?」
と、私はデモ作ることしか頭になかったんですが、生演奏はどうかと。
「えーーーー(歌うん私や〜)」ってなりつつ新しい発想やなぁとも思い、その形で発表することに。

お弁当食べながら、歌うアーティストさんと(イメージ上必要)、季節(春にしました)、卒業ってテーマと、テンポとか決めて、真鶴町民センターに移動。

多賀さんがピアノ弾きながら「どんなリズムにしますか?私、曲のリズムが決めてからじゃないと作れないわぁ」
渡「じゃあ例えばこういうリズム感どうですか?(itunesから曲流す)」
とあれこれ聞きながら決めていきました。

皆「これぐらいにしますか〜。あと卒業っていっても寂しいにするのか、そこから前向きな感じにするのかとかでも変わってきますよね」
萩「僕、なんとなくなんですけどAメロの2回目に“カレンダーめくって〜”って入れたい」
私「じゃあそこに向かうAメロだな〜」
多「歌い出しがいりますね、江里口さん何でもいいから何か歌ってください〜」
私「うーん。うーん。……目をーあけて〜とか?♪んんーんんん〜みたいな?」
と、なんとなく歌ったのをきっかけにメロディーが出てきそうな感じがしたので「ちょっと考えてきまーす」って廊下出て、行ったりきたりしながら考えました。

良いのが出てきたら忘れないうちに楽譜に書いて、「こんなのどうです?」って戻って、
それに合わせて多賀さんがピアノ弾いて〜、
皆「うんうん、いい感じかも!!」
私「じゃその続き考えてくる!!」
という感じで進んでいきました。

ある程度できてきたら
渡「コードにジャズっぽい要素入れますか」
といったコードの調整を行ったり、歌詞については途中までできたメロディーを萩原くんの携帯のボイスメモに入れて、萩原くんは着てた白いパーカーのフードを顔が見えなくなるくらいかぶって、イヤホンつけて、外部からの情報完全シャットアウトの作詞モード。(デスノートのLみたいな雰囲気になってた。笑)
萩「よし、Aメロはこれでいいかな、まだ時間余裕ありますね」
とか言ってたのに、なんやかんやBメロができたのが残り30分前。
私「やばいー、あと30分でサビかぁーーー」
超焦りながらメロディーと歌詞出し合って、決めて、私は車の中で熱唱しながら、ピアノの多賀さんは隣で指動かしながら会場に戻り、、、発表。

歌うのは決めてたから、大丈夫かなと思ったけどみんなで30人くらいいたから、やっぱりあがりました(笑) 発表後は伊藤さんと島野さんにコメント頂いて、無事、終了!!!

誰が何を担当するとかじゃなく、いい曲に向かって意見出し合って出し合って、ってできたのが楽しかった!同じ“曲”を作ってるんやけど、いろんなやり方がある。
歌も、いい経験させてもらいました!緊張すると上ずってしまうんやけど、(これは1人でやってる時にはない感覚。)そこは経験しかないなと思いました。

曲増やして、聴いてもらう経験をどんどんしていかないとな、と。あ〜ほんとに楽しかった!

※江里口さんのチームの様子

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